腰椎の手術は受けるべきか?

つらい腰の痛みのために日常生活がままならなかったら、どんな方法でも良いからすぐにでも痛みをとってほしいと思いますよね。病院で腰椎の手術をしてもらえば必ず良くなるはず・・・と思っている人も多いかもしれません。でも手術が100%良いかどうかはなんとも言えません。手術を受ける場合は、担当医師とよく話し合って自分が納得してからにしましょう。慎重に決める必要があります。

本当に必要な手術なのだろうか?

ope3X線やMRI検査などの画像検査で骨や椎間板に異常が見つかったとしても、本当にそれが今の腰の痛みの原因かどうかはわからないこともあります。たとえ椎間板ヘルニアだったとしても痛みのない人はいます。なのでもしかしたら筋肉のこわばりから来る痛みかもしれませんし、精神的なものが原因かもしれないのです。

椎間板ヘルニアは誤診が多いとも言われています。病院でヘルニアですと言われた人の9割が実は痛みの原因はそれではなかったというデータもあるそう

そして手術を受けなくても、自然に良くなっていく症状もあります。とくに椎間板ヘルニアは白血球のひとつであるマクロファージが飛び出した椎間板を食べてくれることがわかってきたので、すぐに手術をするケースはまれで、だいたいは様子を見ながらの保存療法になります。

治療法は何も手術だけではありません。薬を使ったり、運動をしたり、電気や熱で刺激を与えたりする治療法などもあります。また整体や鍼灸、カイロプラティックなどで改善する人もたくさんいます。

それでも手術が必要な場合

いろいろな保存療法を試してはみたが、全く良くなっていないという時は手術も検討されます。だいたい3ヶ月が目安になるようです。でも半年、1年経って痛みが取れてきたという人もいるので、すぐに手術に踏み切るかどうかは患者さん次第です。もし日常生活にそこまで影響を及ぼしていないなら様子をみるでしょうし、スポーツ選手などですぐにでも痛みを取りたい人は手術を受けることになります。

ただ神経が圧迫されているなどして、排尿や排便機能に障害が出てきている、あるいは歩くのも大変なようならすぐにでも手術を受ける必要があります。

神経障害によって筋力が低下していて、このまま放っておくとどんどん悪化してしまうだろう、手術をしても元に戻すのは大変かもしれないと判断された場合も手術もやむなしということになるでしょう。

やたら手術をすすめる医師には気をつけて

内視鏡での手術やレーザー治療などが普及してきたせいか、手術は簡単、安全なものとカン違いしてしまう患者さんが増えているといいます。手術方法によっては手術の翌日には退院できたり、早いところですと日帰りでできてしまうところもあります。

でも手術は手術です。100%安全!とは決して言い切れません。医師がなぜ手術が必要なのか、手術を受けることのメリット・デメリットをきちんと説明してくれず、「何でも私に任せてくれ!」というような医師であったらちょっと考えたほうがいいかもしれません。

セカンドオピニオンを受けることもひとつの方法。医療はどんどん進歩しています。なので医師によってその病気に対する考え方や治療法は異なるかもしれません。病院によっても医療技術の差があることはまちがいありません。あとで後悔しないためにも手術を決断するのには本当に慎重になってください。

手術のメリット・デメリット

ope1どんなに小さな手術であっても体にメスを入れるということはかなりの負担になります。手術のメリットばかりに気をとられるのではなく、デメリットについてもよく考えましょう。もしデメリットについて説明してくれず、やたら手術を勧める医師ならお願いしない方がいいかもしれませんね。

メリット

☆痛みやしびれがなくなる可能性が高い(でも100%完治するわけではありません!)

☆病院や民間の治療院へ行く手間が少なくなる

☆神経障害が進むのを抑えることができる

デメリット

☆完全に痛みやしびれがとれるとは限らない

☆手術の合併症の発生確率は5.5~13.9%。死亡率も0%ではない

☆どんなに有名で腕の良いと言われる医師でも手術の合併症は起こるかもしれない

腰痛は死に直結するような病気ではありませんからすぐにすぐ手術を決断しなくても良いですよね。もちろんつらい痛みがなくなるのはありがたいことですが、手術によって合併症だったり、何らかの障害が出てしまうことも考えられます。脊椎にはたくさんの神経が通っていますから万が一ということも。手術時間が短くて、簡単ですよと言われても甘くみてはいけません。

手術の合併症

ope2合併症が起こる確率は高くはないとしても、ゼロではないです。もし重篤な症状が出てしまったら家族の協力や支えがないと生活できなくなってしまう恐れも。家族も含めて話合いをしてください。

病気や手術の説明には家族も呼ばれると思います。いっしょに話を聞いて、分からないことは医師に質問して確認しましょう。

手術の合併症にはこんなものがあります。
・脳脊髄液のもれ(ヘルニアと神経を包む膜の損傷による)
・血腫ができる
・手術による神経の障害でしびれや痛み、運動マヒがでる
・手術のキズあとから細菌に感染する(手術後に抗生物質の投与で予防)
・麻酔による危険性(心臓や肺などの内臓への負担、薬物アレルギー等)
・髄膜炎
・肺炎
・心筋梗塞
・脳卒中
・静脈血栓症

これらは医療ミスとは全くことなるものです。やはり手術はどんなものでも体にとっては負担になるものですから、予想外のことが起こることがあります。それは名医と呼ばれる医師であっても同じです。

そして手術をしても100%完全に痛みやしびれがなくなるとは限りません。再発することもあります。

私の知り合いでも椎間板ヘルニアと診断され、手術を受けた人がいますがおしりから足先までのしびれがひどくなってしまったそうです。たびたび脚がつってしまうこともあり、「手術がすべてではないんだな~」と言っていました。

内視鏡手術について

内視鏡を使った手術がずいぶん普及してきました。内視鏡手術とは体の表面に小さな穴をあけ、そこから機械をさし込み、モニターを見ながら手術をする方法です。目に見える傷は小さいのですが、体の内部で起こっていることは同じですし、まだまだその技術は発展途上でもあります。医師によっても技術の差があるでしょう。

手術を考えるときはまず安全面が第一です。「傷が小さくて目立たなくて良いから」「手術時間が短くて気軽に受けられそう」などの理由だけで内視鏡手術を選ばない方が良いかもしれませんね。

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